人気ブログランキング | 話題のタグを見る

陰翳の煌き

熊本城本丸御殿 復元

熊本城本丸御殿の復元は まだ途上なのに 熊本市としては 築城四百年祭が終わって もうそれでおしまいの様相…。

襖絵は もともと総てを復元する計画だったが 「昭君の間」と「若松の間」しか復元されておらず「鶴之間」「梅之間」「櫻之間」「桐之間」などの襖は無地のままである。それをもう一度 復元の気運を高めようという動きがあり 正月に放映される番組用の「桐の間」の襖絵の再現の縮小した絵を依頼された。

桐と鳳凰は 襖絵ではよく組み合わせてある。しかし鳳凰が入ると「鳳凰の間」という名前になってしまいそうだから もともとは入れるつもりはなかった。 しかし 描いていくうち どうしても見栄え上 入れたくなった。鳳凰が入っても「桐の間」と呼べるような構図になればいいのでは?・・と思ったのである。

ところがやはり監修をされている学芸員の方から 「鳳凰が入ってしまうと 他の間とのバランスがとれなくなる…」ということで 別に描いた岩を鳳凰のところに入れこむよう変更になった。

自分でもそう思う・・。今回は正式に描いたものではないけれど・・少ない資料で復元しなければならないので コンセプトや時代考証や決め事を 細かく規定して文書にしておかなければ 描いていくうち変化して間違ってしまう・・と実感した。

〇放映 RKK1月2日 午前9時55分~ 
by ukishimakan | 2008-12-29 02:00 | 文化財