慈円の歌
おほけなく 浮世の民におほふかな 我立杣(そま)に 墨染の袖 (前大僧正 慈円)
これは CHA・NO・YU展にも並べた模写作品である。
蓮の花の黒い絵具は酸化させた銀である。
意味は「身の程知らずだが、浮世の民を包み込むつもりだ。私がいる比叡山の僧侶が着る墨染の服の袖で・・」
住み初めと墨染がかけてある。
◇
先日 娘と目を瞑って「明日の運勢は!?」・・と分厚い本をパッと開いては文を指差して占って遊んでいた。
指差した後は おみくじを引いたときのように言葉の解説を読んで今の自分の状況と照らし合わせて納得する・・。
その分厚い本とは50年前に出版された「新古今和歌集全註解」というもの。
まず娘が目を瞑って指差した歌は・・
ふるさとを戀ふる涙やひとり行く友なき山のみちしばの露 (慈円)
『・・この露は亡き友が あの世からこの世を恋うて流す涙でもあろうか?』という解説を読んで感激し
「すごいね!よくこんないい歌を指差したねー!」と娘にしっかり感心する。
娘 「ねぇ、どんな意味?」(嬉)
父 「友は死んで もういないけれど その人のメッセージは身の回りのどこかに現れている・・ということかな。
その友達も一緒に長く離れたふるさとに帰りたかったのだろうねー。」と自分勝手に解釈する。
娘 「ところで、明日の運勢は?」
父 「うーん、友達の気持ちを大切にすれば きっと良いことがあるよ!ということじゃないかな。」と
やや苦し紛れ・・^^
by ukishimakan
| 2009-12-16 17:16
| 作品