陰翳の煌き

新開大神宮「細川宣紀公直筆奉納絵馬」復元修復

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新開大神宮(熊本市南区)には、多くの大型の奉納絵馬が現存している。
今回、その中の約300年前に奉納された肥後国代藩主・細川宣紀公直筆による絵馬を復元。

以下、解説。

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栴檀(せんだん)の木目が美しい絵馬。剥落で殆ど何が描かれているのか…
一見何も確認することが出来ない画面の中に、わずかに「龍図」の筆跡が認められる。


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板は痩せ、収縮により継ぎ目が開き、割れや歪みが生じ一部破損。

五角形の額装、銅板の鍍金装飾の経年変化など、時代を経た美しさと

墨と金の砂子のみによる、品格のある作風がうかがえる。


板が左右に開いてしまった分、額縁を切除し、クランプにて矯正。

補強を施した後、ドーサを繰り返し、安定した画面表面を作る。

わずかに残る墨線をたどり、現れた線を基に下図を制作し、龍の顔の補筆を試みる。

現存する宣紀公の作風や、一部に残る金の砂子による控えめな表現など、

品格のある作風を念頭に「描きすぎない」方向性で制作し、

闇の中から雲を開き出現する、龍の姿を300年の時を経て現す。



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by ukishimakan | 2018-04-17 02:03 | 文化財 | Trackback | Comments(0)
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