人気ブログランキング | 話題のタグを見る

陰翳の煌き

且坐(さざ)式

今日は 七事式のひとつ且坐(さざ) という稽古があった。
これは 亭主役で濃茶を担当する東(とう)とその準備役で薄茶担当の半東(はんとう) 茶花担当の正客(しょうきゃく) 炭手前担当の次客 お香担当の三客 の5人でメドレーのように進める。
且坐(さざ)式_b0152027_2024123.jpg
























私は正客で 茶花を床の間の花器に…。
少々緊張しながら草花をひとつひとつ手に取り あまり意図的にならぬよう注意して活けた。幸い花の方でうまく据わってくれたので 思いのほか上手く活けられたと思う。
花はムクゲを中心に シュウカイドウ そして画面から切れているけれど 上に小判笹の実?と 左上に黄色の可愛い金水引の蕾花がある。

且坐(さざ)式_b0152027_5231865.jpg


軸は 「 掬水月在手」
   水をきくすれば 月 手に在り

これは中唐の詩人・干良史(うりょうし)の「春山夜月」と題する詩の一節である。

「掬水月在手 弄花香満衣」
   水をすくえば月は手にあり
        花を弄すれば香り衣に満つ


日本では 『月と自分 花と自分は それぞれ別々のものでありながら 一体となる無我の境地?』と禅的な解釈もしているが… 

それよりも 『手にすくった水に ただ月が映っていて…』 とか 『手にした杯に月を浮かべて酒を酌み交わす』情景の方が 自分の心にイメージが染み入ってきて ずっと味わい深い。

もしかしたら 滝廉太郎の 「荒城の月」の歌詞は この詩の一節が下地にあったのではないだろうか?
by ukishimakan | 2008-09-08 20:36 | 茶の湯